iPhoneアプリ作りとハードル走の共通項

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2011/10/25 16:58 投稿先 97.サルでき本 原稿以前 投稿者 カワサキ タカシ

iPhoneアプリ作りの魅力を一言で例えてください。

幸か不幸かワタシは今までこのような質問を受けたことがない。ないが、既にワタシの中で答えは決まっている。ワタシは質問者の目をまっすぐに見つめてこう言うだろう。それは「110mハードルのような気持ち良さだ」と。

110mハードル。オリンピックや世界陸上でご覧になったことがあるだろうか。100m走のコースに腰丈ほどもある障害物が並べてあるあの競技である。号砲一発弾丸のようにスタートを切った選手たちは、なぎ倒さんばかりの勢いで障害物の数センチ上を滑走していく。一定に刻まれるそのリズムは、なんと言うか…宇宙から来た新しい生命体とか、自由研究で作るプラスチックのシャクトリムシマシーンとか、そんな感じで、時間を忘れて見入ってしまう(完全にホメています)。

何の話でしたっけ。そうそう、iPhoneのアプリ作りはこの110mハードルのようなものだ。とワタシは言いたいわけです。まあまあ、一応聞いてくださいよ。せっかくですから。
iPhoneアプリ作りは、ムズカシイのである。いや、もう少し正確に言うと、iPhoneアプリ作りは、『クセがある』のである。

iPhoneアプリ作りからプログラミングの世界に飛び込んできた、という猛者の方(他意はありません)を除いて、大半の方は「Webサイト作り」を経て、iPhoneという世界にたどり着いているハズである。経験:Webサイト開発、使用言語:HTML(CSSも含む)とか、書いたこと、あるでしょう?

Webサイト作り、コイツを同じように陸上競技で例えると、それは「マラソン」なのだ。100mを9.5秒で走るような超絶難易度は必要とされないものの(PHPやらJavascriptやら、そこらへん見なかったことにしておきましょう)、1サイトがモノによると信じられないほどの量になったりして。延々終わらない作業を前に最後は経験と体力がモノを言う。

それと比べると、iPhoneアプリ作りは、量としてはそこまでないことが多い。量はないのだが、単純に「ムズカシイ」のである。覚えなければいけないコードは桁違いに多いし、適当に書いてもなんとなく表示くらいはできちゃうWebと比べると、「Hello, world!」の1行を表示させるのさえ、当てずっぽうが当たらない。スタートラインの上に立って集中していたら、周りの人達はみんなクラウチングスタートなる構えをしている。なにそれ。初耳。そんな感じである。

ただ、それだけなら「コードを覚えんかい」という話で終わるのだ。こいつがそれだけでは終わらないのは、iPhoneアプリには「アップルルール」というものが多数存在しているからである。別名「ジャイアンルール」。その最たるものが「レビュアーによるアプリの審査」というヤツで、初心者が作ったアプリだろうが、ストリートファイターやファイナルファンタジーだろうが、同じ土俵でバッサバッサとダメ出しをされる。2m超えの大男がたった今コケたハードルが、オレの前にも。そんな感じである。

ムズカシイくて、ジャイアンがいる。それだけでもう泣いて帰ってネコ型ロボットの腹にパンチをするしかない状況なのだが。でもね。だからこそ、そのハードルを越えてゴールしたときに見える景色は実に素晴らしいのだ。「ガンバって工夫してみる」。これが通じちゃう。スーパーエンジニアが開発したアプリよりも、勉強し始めて3ヶ月の初心者さんのアプリが「素晴らしい」と評価される。そんなことだってありうる。それが、iPhoneアプリ作り最大の魅力だとワタシは思う。

ちなみに、アテネオリンピックの110mハードルのチャンピオンは、アジア人として初のオリンピック陸上短距離種目金メダリストとなった中国の劉翔選手である。アジア人だってやればできる。彼はきっとiPhoneアプリを作らせても上手いに違いない。


※この記事は今度出す本の下書きの下書きです。
※全ボツになることもありますので、番外編としてお楽しみください。

【業務連絡】
さて、どうしたものか。

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